MBA体験記_SM(intake2015)

プロフィール
【名前】SM
【年齢性別】(入学時)28歳、男性
【職歴】製薬(内資系)・事業開発 (4年)
【私費/社費】私費
【卒業後のキャリア】製薬(外資系)・マーケティング

1.NUSMBAに対する全般的な感想
NUS MBAの良い点は、Flexibility、Learning in Overseas Settings、そしてCommunityの3つだと思います。
まずFlexibilityですが、基本17ヵ月のプログラムですが、1年に短縮するか、反対に2年に引き延ばすのか、個々の考えに基づいて決めることが出来きます。私はSummer Internshipの機会が欲しかったので17ヵ月になりましたが、人それぞれ、多様な考えがあることを学校側が理解してのFlexibleなプログラムになっています。
続いてLearning in Overseas Settingsですが、NUS MBAの学生の多様性に富んだ構成もそうですが、短期・長期の交換留学の機会や、Global Immersion Programという約1週間の他国の企業訪問の機会、そして交換留学に行かなかったとしても他校からの交換留学生と知り合える機会など,シンガポールに限定されない学びの場所が提供されています。
最後にCommunityですが、学内ですとNUSは総合大学のため他の学部の学生との交流の機会を自分から作ることができます。私の場合は、医学部の博士課程の仲間と一緒にチームを構成し、ビジネスコンペティションに参加しました。学外ですと、学内同様、色んなイベントやセミナーが頻繁に行われているのですが、シンガポールという国は小さいため時間をかけずに都合をつけてイベントに参加できることから、学びの機会がとても多いように思います。また、日本では容易には会えないような日系企業のエグゼクティブの方にお会い出来ることもあるので、日本人コミュニティの中だけでも、貴重な出会いが十分得られやすいように感じます。
しかし、個人的に満足のいかない点もありました。それは教授の実業家としてのキャリアが短く授業がアカデミックなスタイルをとることが多い点です。個々人の経験や最新の業界動向を踏まえた話ができる方が少なかったように思います。また、他校を知らないのでなんとも言えませんが、授業だけ受講しているだけでは物足りなさがあるように感じます。Semester1は大変でしたが、Semeter2からは授業はずっと楽に感じるようになり、想像していたMBA生活より負担が少なかったです。私は余裕が出来た時間でクラブ運営、ビジネスコンペや旅行など、授業に加えて他の活動を通した学びが得られたので満足しております。このように授業以外にやりたいことがある方にとっては色々な事にチャレンジできるため良いプログラムだと思いますが、授業に大きな期待をしている方にとっては少し物足りなさを感じるのかもしれないなと思いました。

2.MBA中のスケジュール

Core Elective MC
Semester1 ・Managerial Economics
・Financial Accounting
・Financial Management
・Analytics for Managers
・Marketing Management
  20
Semester2 ・Leadership in Organizations
・Management and Organizations
・Managerial Accounting
・Managing Operations
・Corporate Strategy
・Management Practicum
・Macroeconomics in the Global Economy
Asian business Environment
Global Marketing
28
Special1     0
Special2     0
Semester3   Leadership in Asia
Managing Human Capital
Transformational Service Innovation,
Strategy and Big Data
Entrepreneurship and Innovation
20

私はSemester2に極力多くの単位をとるようにしました。その理由は、Special term 1と2の期間は授業をとらずに日本で3カ月間、Summer Internshipに集中することを考えており、また、Semester3は就職活動で忙しくなると予想していたためです。Semester1は新しい環境に慣れることに苦労しました。しかし、Semseter2からは精神的にも余裕が出てきたこと、そして、予習復習にかける時間・努力と成績の相関がSemseter1の成績から分かったので、Semester2に単位を多く取得しても大きな問題はないと考えました。

3.MBA期間中の経験で特に印象に残っていること
特に印象に残っている経験は2つありまして、外資系製薬企業でのSummer InternshipとSemester3に受講したEntrepreneurship and Innovationというクラスでの経験です。この2つを通じて、既に明確になっている課題に対して戦略立案を行うことも当然重要であるが、それ以上に多くのステークホルダーにインタビューを行い足で稼いで顧客の声を集め、得られたInsightに基づいて適切に課題を特定することの重要性を学びました。
私は、外資系製薬企業のマーケティング部門で Internshipを行いまして、その際の課題が「自社製品・開発品のvalue 向上に繋がるInnovative Solutionの提案」というものでした。これは、課題解決に加えてその前段階の課題発見も自身で行う必要があるプロジェクトでした。また、医薬品を中心に考えながらも、その課題解決策は例えばテクノロジーを使ったアイデアを提案するなどの必要がありました。まずは課題を洗い出すために、社内のマーケティング・R&D・BD等の担当者に加えて社外の患者団体、医師・看護師を含む約80名のステークホルダーの方々にFace to Faceでヒアリングを行いました。課題とゴールの特定後、その解決に向けた仮説の検証を、再度ヒアリングを通じて行うのですが、設定した仮説が何度も覆されて苦労しました。しかし、いくつかの課題特定を同時並行で行う過程で、課題横断的に新しい気づきやInsightが得られることが多く、そのInsightから課題の捉え方を変更し、顧客をより深く理解することができました。結果的に解決策に納得感が生まれたことを考えると、顧客ニーズを自ら得ることの重要性を知れたことが学びの一つになりました。
また、Semester3に受講したEntrepreneurship and Innovationというクラスでも、直前まで行っていたInternshipの学びと同じ学び、つまり課題を特定することの重要性を、更に深く理解することできました。NUS MBAはどちらかというとアカデミックな教育スタイルをとることが多いように思いますが、このクラスの教授は以前はSerial Entrepreneurであり現在はAngel Investorを務める実業家であることから、授業内容がとても実践的で言葉の一つ一つに重みがありました。プロジェクトはいくつかのグループに分かれ、各々起業するにあたっての解決すべき課題の選定から、想定される標的顧客設定の仮説と検証を繰り返し、その後はGo to Market Strategyを立案、そして最終日には外部から招いたベンチャーキャピタリストにプレゼンを行うというものでした。教授からは口酸っぱくAssetが限られたStartupだからこそ最初にターゲットにする顧客の選定が大事だということを助言され続け、想定される顧客30人以上にヒアリングを行い、その後更にLanding Pageを作成して100人以上の顧客のTraffic Dataを集めて分析することになりました。標的顧客像は、顧客の生の声を聴く過程で想定外の方向に変化していったことを経験したことで、顧客の声に耳を傾けることの重要性を改めて学びました。
Semseter1と2では一通り基本的な知識やフレームワークを学び、ケーススタディを通してその得た知識の扱い方を学びましたが、ケースでは既に課題が明確になっており、その課題解決に必要な情報(ただし、限られた情報)も既に記載されているため、あとはそれらの経営課題と関連情報に基づいて解決策となる戦略・戦術を検討することになります。このケーススタディによって論理的な思考力をある程度は向上させることができたと思いますが、課題解決だけでなく課題発見の難しさ・重要性を、上述した経験を通じて思い知るに至りました。

4.MBAの体験を得て、自身のキャリアプランはどう変わったか
MBAを通じて、自信のキャリアプランがとても明確になったことは大きな収穫の一つです。私は、高校の頃から医療に貢献したいという気持ちが強かったので、大学・大学院では薬学部と医学部で学び、その後は製薬企業に就職しました。MBAを目指した理由は、サイエンスだけでなくビジネスも分からないと医薬品開発を推進することは難しいと感じたためです。一方で、これまで比較的同質性の高いコミュニティーの中で生きてきたように感じ、MBAでいろんな方との交流を経て考えが変わるなら、それはそれで考えが変化していく自分自身を楽しみたいなとも思っていました。
しかし、結果的には、自分はやはり医療に携わっていきたいと改めて思いました。もちろん、他の業界や仕事の話を授業、友人、そしてキャリアセミナーを通じて学ぶことができ、以前よりもずっと強い興味・面白さを実感しています。むしろそのお陰で、なぜ自分はヘルスケアにこだわるべきなのだろうか、他の仕事にチャレンジしてもいいんじゃないのか、と深く考えることができたのです。そして、論理的じゃないですが私にとってワクワクする仕事は何かと考えたときに、ヘルスケア業界を中心に据えて他の業界との提携を通じて価値を創造していくことが私の進みたい道だと気づくことができました。

5.最後に
私はNUS MBAに来て本当に良かったと思っています。これまで海外で生活したことがない私にとって、バックグランドが異なる優秀でかっこいい仲間達から多くのことを学び、多くの事に気づかされました。
経営学の知識を学ぶ必要性を感じて私は留学したわけですが、振り返るとハードスキルと言われるそれらの知識は正直日本でも書籍等を通して十分学ぶことができるように思います。しかし、自分のキャリアや人生観を見つめ直すことができ、知らなかったものを知りそしてそれに対する興味を抱く機会に恵まれ、強く希望していた仕事でInternshipを経てFull-time Jobのofferをいただくことができ、そして友達という本当の意味でのネットワーク・繋がりを得ることができたこの1年半はかけがえのない時間になりました。
皆さん、受験勉強は本当に大変かと思いますが、体調にはお気をつけて無事ご希望の学校(それがNUSであると我々も嬉しいのですが)に合格されることを祈っております。